「不確実性プールの原理(集中貯蔵の原理)」はマーケティング関連の資格勉強などでよくでてきますよね。
悩み
不確実性プールの原理とはなにか解説してほしい。できれば、図や例などでわかりやすい方がいいな…。
この記事では、卸売機能の1つである「不確実性プールの原理」(集中貯蔵の原理)とはどんな意味か図と具体例でわかりやすく解説します。
上記の悩みを解決できるように書きました。参考になれば幸いです。
販売士検定やマーケティング関連の資格勉強をしている方向けに書きました。
不確実性プールの原理とは?意味をわかりやすく解説
不確実性プールの原理(集中貯蔵の原理)とは、M.ホール(1948)によって提唱された、市場在庫を卸売業者が集中して持つことで、市場全体の在庫リスクを軽減できるという原理です。
生産者や小売業者が分散して在庫を持つより、市場全体の在庫量が適正な数量になるので費用削減の効果があります。
「不確実性プールの原理」は「取引総数最小化の原理」とともに卸売機能の1つであり、卸売業者の役割とされています。
不確実性プールの原理の具体例
不確実性プールの原理の具体例を紹介します。
ある市場における、A製品の販売について考えます。条件を以下とおり設定するとします。
A製品の市場
- A製品の需要を45個とする
- 小売業者3社
- 各小売業社は10〜20個製品を仕入れる
このとき、卸売業者がいない直接流通と卸売業者が仲介する間接流通をそれぞれ考えていきます。
流通業(卸売業)がない場合
卸売業者がいない場合を見ていきます。
各小売業者は、需要が45個あれば機会ロスを恐れて、在庫を多めに20個仕入れます。
そして「20個をどう売るか」を考えます。3社とも20個ずつ仕入れているので、市場全体の在庫数は60個となります。
結果、市場全体で考えると需要45個に対して、供給60個になってしまうので、製品が15個余ってしまいます。
この不良在庫がたまってしまう。これが在庫リスクです。
生産者、小売業者からしてもなるべく在庫リスクは避けたいものです。
流通業(卸売業)がある場合
次に流通業(卸売業)がある場合
次に卸売業者がいる場合、3社の小売業者は最低限の在庫量である10個ずつ仕入れることができます。
なぜなら、卸売業者が在庫を持っているので、比較的素早く補充ができるからです。
市場に出回っている在庫量も45個と適正です。
このように、卸売業者がいる場合、必要になったら、在庫を発注することで、機会ロスや在庫リスクが減らすことができます。
45個分の物流で済むので、費用も削減することができます。
生産者・製造業が在庫管理できない理由
生産者やメーカーが在庫を管理しない理由は、以下の2つが考えられます。
- 外部に委託したほうがコストを抑えられる
- 商品が季節ものだと生産や仕入れが1回に限られる
このように、卸売業者が在庫を一括管理するメリットがあります。
しかし、インターネットが普及し、ECが台頭していることで、直接流通が増加しています。その結果、卸売業は無くなる産業と言われてもいます。
コストの問題が解決できれば、小売店やメーカーが在庫管理をするようになるかもしれません。
不確実性プールの原理(まとめ)
不確実性プールの原理は、取引総数最小化の原理とともに、卸売業の役割の1つです。卸売業の役割が分かれば、卸売業がなぜあるのか?わかります。
この記事が参考になれば、幸いです。
不確実性プールの原理(まとめ)
- 不確実性プールの原理(集中貯蔵の原理)とは、M.ホール(1948)によって提唱された、市場在庫を卸売業者が集中して持つことで、市場全体の在庫リスクを軽減できるという原理です。