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取引総数最小化の原理を解説!卸売業の役割【販売士・マーケティング】

「取引総数最小化の原理」は、販売市検定やマーケティング検定の勉強でよくでてきますよね。

販売市検定の勉強をしたり、卸売業の役割を調べたりしていると「取引総数最小化の原理(取引数単純化の原理)」という言葉を見たことはないでしょうか?

【悩み】

  • 取引総数最小化の原理(取引数単純化)」について意味を知りたい!
  • 卸売業の役割について勉強したい!

この記事では、卸売機能の1つである「取引総数最小化の原理」を具体例を用いてわかりやすく解説します。

上記のような悩みを解決できるように書きました。販売市検定を受ける方や卸売業で働いている方向けに書いていきます。

取引総数最小化の原理とは?

「取引総数最小化の原理」とは、M.ホール(1948)によって提唱された、小売業と製造者(メーカー)の取引間に卸売業者が入ることで、全体の取引数が減り、流通コストを抑えられるという原理です。

取引数単純化の原理とも表現されることがあります。

つまり、市場全体を考えれば卸売業者を介した「間接流通」の方が、生産者と消費者が直接取引する「直接流通」よりも、流通に必要な人件費の削減や物流コストを抑えることができます

取引総数最小化の原理の具体例

取引総数最小化の原理について、実際に数字を出して例を紹介します。

取引総数最小化の原理(具体例)

ある産業について、以下の場合を考えます。

生産者4社
小売店4社
卸売業者1社

卸売業者がいない場合は、取引数は16回になります。※取引数=(生産者の数)×(小売店の数)

卸売業者がいない場合の取引数を表す
卸売業者がいない場合の取引数

 

それに対して卸売業者がいる場合の取引数は、8回になります。※取引数=(生産者の数+小売店の数)×卸売業者の数

卸売業者がいる場合の取引数
卸売業者がいる場合の取引数

卸売業者が取引の間に入ったことで、取引数は16→8回に減りました。

 

このように、生産者と小売店の間に卸売業者が入ることで取引の数は減ります。

また、生産者も小売店も卸売業者1社とのみ取引すればいいので人件費を抑えたり、管理が楽になったりします。

間接流通の有利性(R)とは

取引総数最小化の原理を考える上では、「間接流通の有利性」に注意が必要です。

「間接流通の有利性」とは、生産者と消費者の間に卸売業者が必要か式と数値で表したものです。

間接流通の有利性は文字Rを用いて以下の式で表されます。

間接流通の有利性

R=P×C/M(P+C)

※P=生産者の数、C=消費者の数、M=流通業者の数

間接流通の有利性Rの値が1より大きければ生産者と消費者が直接取引するより、流通業者を利用したほうが効率的だと言えます。

間接流通の有利性の式
間接流通の有利性の式

式の意味は、分母が「直接取引の際の取引数」、分子が「間接取引の際の取引数」です。

 

先ほどの例で考えるとR=4×4/1(4+4)=2 となり、R > 1ですので間接流通の有利性があると言えますね。

卸売業のこれから

「取引総数最小化の原理」は、卸売機能の1つでした。しかし、近年卸売業者数は年々減少していることがわかっています

理由は以下の通りです。

  1. 電子取引(EC)の普及による直接取引の増加
  2. 自社製品を作る小売業の増加

それぞれ詳しく解説していきます。

電子取引(EC)の普及による直接取引の増加

経済産業省が実施した電子商取引実態調査によるとBtoB-ECの市場規模は以下のように推移しています。

取引金額
2014年約280兆円
2016年約291兆円
2018年約344兆円
BtoB-ECの市場規模の推移

 

さらに、2014〜2018年の間、市場規模は毎年増加しています。また伸び率に関しても、1番新しい2017-2018年で最高になっていて、今後電子取引はますます普及すると考えられます。

電子取引が増えれば、直接取引することが増えるので卸売業者の需要も減ると予測できます

自社製品を作る小売業者が増加

また直接取引増加の要因として、自社製品(PB)を販売する小売業者が増加していることが挙げられます。

例えば、イオンのトップバリュやツルハのエムズワン、ユニクロやニトリでは製造小売業としてほとんどの商品が自社製品になっています。

このように、自社で作って販売までするというトレンドによって直接取引が増加しています。

卸売機能は市場にとって重要な役割

卸売業者がなくなったとしても、卸売機能自体は、市場に欠かせない役割です。

例えば、顧客100人の購入履歴を知りたいとすれば、顧客100人に直接聞くよりも、レシートの情報を集めている会社1社と取引した方が効率もよくコストもかかりません。

情報やサービスなどにおいても取引総数最小化の原理を当てはめることができることが多くあります。

このように、卸売機能は市場にとって必要不可欠な役割であり、卸売業者はある意味転換機を迎えているのかもしれません。

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取引総数最小化の原理(まとめ)

取引総数最小化の原理は卸売機能の1つでした。卸売業の役割として、重要ですので是非覚えてください!

この記事が参考になれば幸いです。

取引総数最小化の原理(まとめ)

  • 取引総数最小化の原理とは、小売業と製造者(メーカー)の取引間に卸売業者が入ることで、全体の取引数が減り、流通コストを抑えられるという原理
  • 取引総数最小化の原理では、間接流通の有利性に注意する必要がある。
  • 情報社会において、卸売業者の数は減少傾向にあるが、卸売機能は市場に欠かせない役割である。
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