値入率はお店で働いていると、毎日使う大切な数値ですよね。発注の判断材料にもなったり、お店の利益にも関わってくる数値です。
【悩み】
- 値入れ率とはどのような数値?
- 値入率の計算方法を知りたい、粗利益率との違いは?
- 値入率を上げるには、どのようなことが必要?
この記事では、値入率について上記の悩みを解決できるように書きました。
スーパーの加工食品売り場で働く私が、値入率について説明していきます。
値入れ率(値入率)とは
値入れ率(値入率)とは、商品の売価における「利益の割合」を表す値です。(単位は%)
値入率は企業の利益に関わるので、とても大切な数値です。
お店の売上を増やしても利益がない原因の一つに値入率が悪いことが挙げられます。
値入れ率と粗利益率の違い
値入れ率と似た値に粗利益率があります。値入れ率と粗利益率の違いは、値下げ、廃棄などのロスが反映されているかいないかです。
値入れ率は、販売前の利益なのでロスは反映されていません。
それに対して、粗利益率は、販売後の利益なので、値下げや廃棄などのロスを反映させます。
値入れ率と粗利益率の違い
- 値入れ率…「販売前」の利益の割合
- 粗利益率…「販売後」の利益の割合
粗利益率は、ロスを反映するので値入れ率を超えることはない。
ロスや廃棄がゼロであれば、粗利益率=値入れ率となりますが、実際のお店では、そううまくいきません。
値入れ率(値入率)の計算式
値入れ率の計算式は以下の通りです。
値入れ率(%)=(売価-原価(仕入れ値))÷売価×100(%)
例えば、原価(仕入れ値)60円、売価(販売価格)100円の商品があれば値入れ率は40%になります。
式:値入れ率=(100-60)÷100×100%=40%
粗利益率の求め方
粗利益率の求め方を考えていきます。先ほどの例で、10円の値引きが発生したとします。
このとき、原価は60円、実際に売れた売価は90円になります。※100円(値下げ前)-10円=90円 (値下げ後 )
このとき、粗利益率を求めます。
式:(90-60)÷90×100=33.3%
計算式は、値入れ率とほぼ同じですが、売価の部分が値引きを考慮した値段になっています。
原価から値入を設定する計算
ある商品の原価と目標値入率があるときの売価を求める計算をしていきます。
ある商品の原価が80円、目標値入率が20%の場合、売価は100円です。
式:売価=原価÷(1-値入率)
実際の計算は、80÷(1-0.2)=100円
値入率を上げる方法
商品部やバイヤーがやっている値入率を上げる方法を2つ紹介します。
値入れ率は商品を仕入れて売価を決めた段階で決まるので、仕入れ担当が責任を持つ数値です。
値入れ率を上げる方法(例)
- 大量仕入れ(マスマーチャンダイジング)
- 値入れ率の高い単品•カテゴリーを仕入れる
①大量仕入れ
値入れ率を上げる方法1つ目は、大量仕入れです。商品を大量に仕入れることで、原価を下げて値入率上げることができます。
つまり「数をたくさん売るから安く仕入れさせてほしい」とメーカーと交渉します。メーカーとの交渉は、去年の実績があって成り立つので、お店では、まず商品を売って販売数を上げることが値入率改善につながります。
値入率の高い単品•カテゴリーを仕入れる
値入れ率を上げる方法2つ目は、部門の中で値入率の高い単品やカテゴリーを多く仕入れることです。こうすることで、部門全体の値入率を上げることができます。
例えば、菓子の場合、珍味は値入率が高く、スナック菓子は低い傾向があります。
なので、珍味とスナック菓子をバランスよく仕入れることで、菓子部門全体の値入率を改善しています。
特に値入率が高い商品として、PB•BP商品(自社製品)があります。もちろんPB•BPの仕入強化も値入率改善になります。
値入れ率(まとめ)
値入れ率は、お店にとって利益の指標となる数値です。どれだけ利益がとれるかは、値入れ率にかかっていると言えます。
値入れ率(まとめ)
- 値入れ率とは、商品の売価に対する利益の割合。
- 値入れ率(%)=(売価-原価)÷売価×100%
- 値入れ率を上げる方法
- 大量仕入れ
- 値入れ率の高い単品やカテゴリーを仕入れる