売場の仕事

【売場の基本】棚割とは【2つの原則あり/小売店の担当者向け】

小売店で働いているとよく「棚割(たなわり)」という言葉を使います。

  • 棚割通りに品出ししておいて!
  • 棚割を変えないようにお願いします。

私が働いているスーパーでも棚割をもとに商品を陳列しています。

棚割は、来店したお客様がいかに買いやすい売り場を作る上で、とても重要な役割があります。

【悩み】

スーパーなどの小売店で使う、棚割とは?どのような意味で使われるの?棚割をする際の基本やコツを知りたいな。

この記事では、小売店などで使われる棚割とはどのような意味か、基本やコツを解説していきます。

スーパーで働いている私が、具体例をもとに店舗でするべき基本的な棚割作業やコツも紹介していきます。

棚割とは

棚割で並べられた商品の例

棚割(たなわり)とは、売場の棚にどの商品をどの位置にどれだけ陳列するか決めることです。お店によっては、陳列指示書など呼び方が変わることもあります。

基本的に棚割は、商品部やバイヤーが作ります。というのも、本部が一括で作ることによって、店舗間で統一感を出したり、他店と差別化をしたりしやすいからです。

例えば、チェーンストアのお店の品揃えが、どこの店舗でもほぼ同じなのは、棚割を使って本部が品揃えを管理しているからです。

店舗での作業は、本部から送られてきた棚割をもとに同じように陳列することです。

私が働いているスーパーでも、商品部、バイヤーが棚割を作成し、店舗で指示通り並べています。

棚割の作り方

棚割は以下の手順に沿って作られることが一般的です。

  1. 品揃え
  2. グルーピング
  3. ゾーニング
  4. フェイシング

品揃えとは、お店においてどの商品を取り扱うのかを決めることです。

例えば、「スナック菓子のうすしお味とノリ味は取り扱うけどコンソメはやめる」のようにお店で取り扱う商品を決定していきます。

グルーピングとは、商品をカテゴリーごとに分ける作業です。例えば、価格、色、用途、サイズなどに分けられます。

グルーピングを適切に行うことで、お客様が買い物中にあっちに行ったり、こっちに行ったりさせない買いやすい売り場を作ることができます。

ゾーニングとは、グルーピングした商品の配置を決める作業です。どの区画にどの商品カテゴリーを陳列するかを決定します。

ゾーニングでは、ゴールデンラインや客動線を考えて配置することが重要です。

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最後にフェイシングをします。フェイシングとは、棚におけるフェイスの数を決めることです。販売数やPI値を参考に、売れる商品のフェイスを多く取ります。

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棚割の目的

目的

棚割を作成する目的は、お客様が「買いやすい売り場」を作るためです。

棚割を作成することで、商品を見やすく、手に取りやすく、買いやすい売り場を作ります。

また棚割には「店舗に統一感を出す」「他店との差別化」「店間格差を減らす」などの役割もあります。

棚割の更新頻度

棚にある商品を取ろうとする例

棚割の更新頻度をスーパーを例に紹介していきます。

スーパーの棚割の更新頻度は「週に1回程」あります。というのも、スーパーでは、毎週新商品が入荷して、死筋の商品や古い商品と入れ替わるからです。新商品が入荷するたびに、棚割の変更が必要になります。

特にスーパーでは、家具や家電よりも商品の回転が早いので多くの商品が入れ替わり小売店の中でも頻度は高いです。

このように棚割の更新頻度は、意外と多くスーパーでは新商品が入荷するので「週に1回」の変更が基本になります。

また半期に一度、棚割の大規模な変更もあります。なぜなら、スーパーでは半期ごとに春夏型の商材から秋冬型の商材に変更するからです。

春夏と秋冬では売れるものが大きく変わるので、棚割も大きく変更します。季節感や売り場の鮮度感にも関わるので大切な仕事です。

棚割の基本とコツ

店舗の棚の例

棚割の基本やコツを2点紹介します。

  1. 棚割は基本指示通り実施する。
  2. フェイスの調整をする

基本は指示通り変えない

棚割は原則、指示通りに陳列しましょう。例えば、品出し時に変えたり、気に食わないと思って変更したりするのはNGです。

なぜなら、棚割は商品部やバイヤーが考えに考え抜いて作った計画表だからです。

その棚割を勝手に変更することで商品部やバイヤーが考えた「陳列の意図」に反してしまい、お客様が買いにくい売り場になってしまいます

フェイスの調整が必要なことも

店舗での棚割では、地域特性や商圏を考えたフェイスの調整も必要になってきます。

なぜなら、棚割には地域特性や商圏まで考慮されていない場合が多いからです。というのも全店舗で実施することを前提に作っているので、商品部やバイヤーも地域特性まで見切れないことがあります。

例えば、お店の特徴として「近隣に小学校が多くある」、「オフィス街にある」や「駅近に立地している」ことが挙げられます。

このように、お店毎に地域特性や商圏を考えてフェイスを調整することで、よりお客様が買いやすい売り場になります

しかし、棚割の原則は指示通りに実施することです。まずは棚割通りに陳列しましょう。

棚割とは(まとめ)

店舗にある棚割の画像

棚割の作成や店舗での陳列は売上の大部分を決める大事な仕事の1つです。

この記事が参考になれば幸いです。

棚割とは(まとめ)

  • 棚割(たなわり)とは、売場の棚にどの商品をどの位置にどれだけ陳列するか決めることです。
  • 棚割の目的は、お客様が「買いやすい売り場」を作るため。
  • 棚割の更新頻度は、週に1回(新商品入荷のタイミング)。
  • 棚割のコツは、基本は指示通り実践。その後地域特性や商圏を考えてフェイスを調整する
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