「発注点とは、どのような意味?」「発注点は発注にどのようにかかわるの?」と悩んでいませんか?
発注点は、スーパーやコンビニなどの小売店の発注に欠かせないことです。
- 発注点ってなに?
- 発注点を使った発注方法を知りたい!
- 発注点を決めるときの注意点は?
この記事では、上記の悩みを解決できるように書きました。
なぜなら、私はスーパーの社員として2年間、発注業務にかかわってきたからです。発注点を使った発注も実施しています。
この記事では、発注点とはなにか、発注方法を2種類紹介して、発注点の決め方を計算式で解説します。
この記事を読み終えると、発注点を使った発注ができ、在庫管理を適切にできますよ!
発注点とは
発注点とは、在庫管理において、商品の発注をかけるタイミングのことを言います。
発注点を利用した発注を発注点方式と言い、スーパーやコンビニなどの小売店で採用されています。
例えば、発注点を5個に設定した商品がある場合、在庫が5個を下回ったら、商品が自動的に発注されます。(発注点方式)
このように発注点とは、在庫の補充をかけるタイミングのことを言います。
発注点を使った発注は、自動化できるので、アイテム数が多い小売店では、重要視されています。
「毎日、発注して大変だ…」という方は、発注点をうまく設定することで、発注の手間を減らすことができますよ!
発注点の決め方については、後述していきます。
発注方法は2種類
スーパーやコンビニなどの小売店はもちろん、倉庫などで行われる発注には2種類あります。
- 定量発注方式(発注点方式)
- 定期発注方式
私が働いているスーパーでも上記2種類の発注を組み合わせることで、発注精度を上げています。
方法①定量発注方式(発注点方式)
定量発注方式とは、発注点を在庫量が下回ったときに発注する方法です。
例えば、発注点を5個にしたとき、定量発注方式は以下の手順で行われます。
- 発注点を5個に設定する。
- 在庫量が5個を下回る。
- 自動で商品が補充される。
発注点方式のメリットは、発注を自動化できるので、アイテム数が多くても管理しやすいことです。
逆に、システム上の在庫数が間違っていると、売り場の欠品が出やすいので、定期的に発注点管理が必要になります。
- 発注を自動化できる
- アイテム数が多くても対応しやすい
私の場合、発注点を定期的に見直したり、発注作業を実施することで、発注精度を上げています。
方法②定期発注方式
定期発注方式とは、発注の期間と個数を決めて、一定の間隔で発注する方法です。
例えば、発注期間を1週間、1回の入荷量を10個とした場合、毎週10個発注されます。
- 発注の期間を決める。
- 発注量を決める。
- 定期的に在庫量を見直す。
定期発注方式のメリットは、自動化できる点と入荷が一定な点です。一定の消費量を見込めるものであれば、定期発注方式が適しています。
- 発注を自動化できる点。
- 一定間隔の発注ができる点。
逆に売れ数が変わりやすい商品は、定期的に在庫管理も行う必要があります。
発注点管理の方法
発注点管理は、発注の基本です。作業負担を減らすためにも、適切な発注点を設定しましょう。
以下で、発注点をどのように決めたらいいのか計算式を使って紹介します。
発注点の決め方
発注点は、お店の数値情報をもとに決めることが一般的です。
私が発注点を見直すときに確認する数値は以下の通り。
- 予算
- 普段の売れ数
- 売り場の広さ(在庫が何個入るのか)
- リードタイム
- PI値
①予算~④リードタイムまでは、必ず確認しましょう。というのも、発注は売れ数と、売り場在庫量をもとに考えることが基本だからです。
「売れない数量を取ってしまった…」
「売場に入らずBRに下げてしまった…」
このような、発注ミスをしないためにも、数値の確認は必要です。
さらに上記に加えて、⑤PI値をもとに発注すれば、お店の予算に合わせて在庫を適切に持つことができます。
発注点の計算方法
発注点の計算式は以下の通りです。
発注点=(1日の販売数)×(リードタイム)+(最低陳列量)
最低陳列量とは、売り場に最低数必要な在庫です。小売店では最低陳列量を下回ると売上が激減するので、欠品している状態と言います。
最低陳列量について、以下の記事で詳しく説明しています。「欠品させないためには、どうしたらいいの?」という方は読んで見てください。
発注点の決め方の具体例を紹介します。
- 1日の平均販売数が8個
- リードタイムが2日
- 最低陳列量が6個
この場合、発注点=8×2+6=22個となります。
つまり、在庫量が22個を下回ったら、発注したほうが良いことになります。
発注の際の注意点
発注点を使って発注するときの注意点を2つ紹介します。
発注で失敗しないために必要なことを書きました。
- 発注点方式(自動化)に頼りすぎない
- 定期的に見直す
注意点1.自動発注に頼りすぎない
発注は、自動発注に頼りすぎないようにしましょう。
なぜなら、自動発注のときに「システム上の在庫量」と「実際の在庫量」が違う場合があるからです。
システム上の在庫が変わる理由は様々ですが、スーパーでよくある例は以下の通り。
- ロスが反映されていない
- 万引きされている
- システムトラブル
- レジの打ち間違い
このような理由で、システム上の在庫量が間違っていることがあります。システム上の在庫量が間違っていると、発注ミスをまねきます。
「なかなか在庫が入ってこない…」
「在庫量が多い…」
なので、発注では自動発注に加えて、手動でも確認することが大切です。特に売れ筋商品は、商品の動きもいいので在庫量が変わりがちになります。
発注ミスをしないためにも、重点的に管理していきましょう!
注意点2.定期的に見直す
発注点は定期的に見直しましょう。というのも、季節や外部要因で商品の売れ数はまったく変わるからです。
例えば、夏と冬ではアイスの売れ数が大きく変わります。
発注点を夏のまま変えないでいると、冬にアイスの在庫量が多くなってしまいます。
このように、在庫量をてきせつにするためには、定期的に発注点を見直すことが必要です。
発注点とは(まとめ)
この記事では、発注点とはなにか紹介して、発注方法と発注点の決め方を具体例で紹介しました。
簡単にまとめると以下の通り。
- 発注点とは、在庫管理において、商品の発注をかけるタイミングのこと
- 発注方法には、「定期発注方式」と「定量発注方式(発注点方式)」の2種類ある
- 発注点=(1日の販売数)×(リードタイム)+(最低陳列量)
「発注点とは何?」という悩みを解決できるように書きました。
お店で発注業務をするときには、参考にしてください!
さらに、「もっと発注の考え方を勉強して上手くなりたい!」という方は、以下の記事で発注のコツを紹介しています。合わせて読んで見てくださいね。