売場の仕事

スーパーの売り場で使える陳列8選【工夫は必要/売り場担当者向け】

この記事では、スーパーマーケットで使える陳列方法を8パターン紹介していきます。スーパーでは売上を上げるために、様々な工夫を意図して行う必要があります。

スーパーで行う工夫の一つが商品の陳列方法です。例えば、安さをアピールしたいのか?衝動買いを狙いたいのか?食卓提案をして、関連買いを狙うのか?

このように商品を買ってもらうためには、工夫した売り場作りを自分の意志で行う必要があります。

この記事を読めば、「スーパーの売り場で使える陳列方法」と「陳列にどのような狙いがあるのか」がわかるようになります。自分で狙って売上を上げることができるようになるかもしれません。

こんな方に読んでほしい!

  • 売り場の陳列を工夫して売上を上げたい方!
  • スーパーの売り場担当者の方

現スーパーマーケット社員で週3回以上売り場作りをしている私が売上を取るために工夫していること、陳列方法を紹介します。具体的に丁寧に書きました。自信をもって紹介できる記事になったので、是非参考にしてください!

【基本】売場を工夫するメリット

売り場作りを工夫する理由は、一人当たりの買い上げ点数を上げることができるからです。

例えば、「ついつい手に取ってしまった。」「お得だから複数買った。」

このような経験はないでしょうか?

このように「もう1点買ってもらうこと」を考えて、売り場を工夫して作ります。もちろん、もう1点多く買ってもらえれば、売上も自然と上がっていきます。

 

さらにスーパーマーケットでは、売り場作りの成果は、「一人当たりの買上げ点数」を指標にすることが多いです。

売上=客数×客単価

客単価=単価×一人当たりの買上げ点数

 

一人当たりの買上げ点数を上げれば、売上が伸びることになります。

 

なぜなら、「一人当たりの買上げ点数」は外部要因を受けにくいからです。

それに対し、「1点単価」は、販促や扱う商品群で変わりますし、客数も天気やイベントなどの外部要因に影響を受けやすく「良い売り場」の指標としては使いづらいです。

これから紹介する陳列方法や売り場作りの工夫も、目的は「一人当たりの買上げ点数をあげるため」です。

売り場作りを工夫する理由は、「一人当たりの買上げ点数」を上げるため。

売り場を工夫する考え方

小売店において、売り場作りをするときには「商品を使用している状況」と「4P」について必ず考えます。

売り場作りで考えること

「商品を使用している状況」

「4P」とは、以下の4つのことを指します。

  • プライス(価格)
  • プレイス(場所)
  • プロモーション(販促)
  • プロダクト(製品)

「商品を使用している状況」を考えることで、お客さんが買いやすい売り場作りや商品提案ができます。

例えば、スーパーマーケットでは食卓を考えた提案をしています。

実際に1つの売り場を作るときに、食卓を考えて関連商品を提案したり、カテゴリーをそろえて提案したりしています。

 

服であればコーディネート、家具であれば部屋や空間を考えることができます。

また売上を取るためには、「4P」の視点から売り場作りすることが求められます。

「4P」の視点で売り場作りをする

  • プライス…商品の価格を変える
  • プレイス…商品の場所を変える
  • プロモーション…販促、広告を活用する
  • プロダクト…製品を変える

逆に「4P」のいずれかを変えないかぎり、売上(数値)は変わりません。

なので数値目標を達成させるために売り場作りをするならば、「4P」の視点で変更していきましょう。

 

スーパーマーケットの現場では「4P」のうち、「プレイス」の役割が大きいです。

他の3つは多くの企業では、商品部や本部が計画を立てています。

なのでこの記事で紹介する売り場作りの方法は「プレイス」の役割を大きく担っています。

売り場作りに必要な陳列方法

スーパーマーケットで実際に使っている陳列方法や売り場作りの考え方を紹介します。

スーパーでは、チラシや週間、イベントや季節など売り場作りをする機会がとても多く、週に3回以上変える売り場もあります。

一人当たりの買上げ点数を上げるための陳列方法に加え、多くの売り場変更を効率的に行う為にも、必要な知識をまとめていきます。

紹介する陳列方法

  1. エンド展開
  2. 多数の商品の展開
  3. 関連商品
  4. ジャンブル陳列
  5. 商品の強弱を利用する
  6. ゴールデンライン
  7. ウイング陳列
  8. フック陳列

陳列方法①:エンド展開

商品を売り込むには、エンドを活用した売り場作りが一番メジャーです。

またエンドは売り場変更の頻度が多く、例えばグロサリー部門では週1回、新商品が入れ替わるタイミングで必ず変更します。

エンドを売り場変更するタイミングを下記にまとめました。

  • 新商品 (週1回)
  • チラシ (週1~3回)
  • イベント (月数回)
  • 季節 (基本的に年4回)
  • 話題性商品 (不定期)

お客さんの多くが見てくれるエンドは、重要な売り場です。

エンド売り場の役割や陳列方法のコツは下記の記事で紹介しています。

スーパーのエンド売り場とは【2つの役割と売り場作りの方法】 「スーパーのエンド売り場とは、どこにあるの?役割や売り場作りをするときに大切なことは?」と悩んでいませんか? スーパーやコンビニ...

 

陳列方法②:多数の商品の展開

売り場作りをする上で、多数の商品を展開する場合の陳列方法を紹介します。

例えば、催事場を使ってイベントを行ったり、売り場を一角使って展開する場合

スーパーの売り場変更では、10~50種類の商品を1度に展開することがあります。

単品数が多い場合は、どこにどの商品を入れるか明確にしないと「すべての商品が入りきらない」「売り場が余ってしまう」など売り場変更の途中で問題が起きます。

なので売り場変更の前に、あらかじめ準備をしておきます。

準備①:SKU数・物量の把握

物量表や発注書を見て、SKU数(単品数)とそれぞれの数量を把握します。

例 カレーに関する商品は、A,B,Cの3種類が入荷、数量はAが80点、Bが100点、Cが90点。

準備②:カテゴリー分け

入荷した商品をカテゴリーごとに分類しておきます。分類をしないと、同じ用途の商品がばらばらに展開されたり、価格帯が違う商品が近くに並んだりします。

買いやすい、選びやすい売り場を作るためにカテゴリーをそろえる必要があります。

スーパーマーケットで特に意識するカテゴリー一覧

  1. 用途
  2. カテゴリー(調味料、簡易食材、お菓子など)
  3. 商品の種類(醤油、味噌、砂糖など)
  4. 価格(低価格帯、同価格、高価格帯)

準備③:下段に展開する商品の決定

スーパーの売り場作りでは、基本的に物量が多い商品を下段に展開します。あらかじめ物量が多い商品は、売り場の下段に入れましょう!

 

売り場下段の活用、売れ筋商品の展開方法は、下記の記事で紹介しています。

スーパーのエンド売り場とは【2つの役割と売り場作りの方法】 「スーパーのエンド売り場とは、どこにあるの?役割や売り場作りをするときに大切なことは?」と悩んでいませんか? スーパーやコンビニ...

陳列方法③:関連商品

関連商品で売り場作りをすることで、「買い上げ点数をもう1点上げる訴求」に繋がります。

例えば、そばやうどんなどの乾麺の売り場にワサビを入れたり、珍味の売り場にビールを置いたりします。

このように、売り場に関連商品を差し込むことで買い忘れ防止になります。

 

また関連商品を陳列する場合は、売り場上段が多いです。

なぜなら、①メインで訴求する商品ではない②物量が少ないからです。

関連商品は、アクセントとしてとても有効なので売り場作りに活用していください!

クロスマーチャンダイジングとは?【具体例あり/ついで買いを狙う方法】 クロスマーチャンダイジングとはなにか?と意味や使い方がわからず悩んでいませんか? 私も売り場作りの本を読んでいた時に、クロスマー...

陳列方法④:ジャンブル陳列

陳列方法の1つに点数を稼ぐための「ジャンブル陳列」があります。

「ジャンブル陳列」とは、商品をワゴンや平台を使って無造作に陳列する方法です。

ジャンブル陳列は、特に価格の安い商品で効果が見込め、販促と連動して展開することが多いことが特徴です。

 

例えば、レジ前にワゴンを置いたり、「○○円均一商品!」と販促をかけて1か所にまとめて陳列したりしています。

ジャンブル陳列の方法やメリット、相性のいい商品は下記の記事で詳しく解説しています!

ジャンブル陳列とは【利点を解説/成功のコツを5つ紹介】 スーパーでは「ジャンブル陳列」という陳列方法を使うことがあります。 ジャンブル陳列は便利で使いやすい陳列方法で、在庫の消化にとて...

 

陳列方法⑤:商品の強弱を利用する

売り場作りをする上で強い商品と弱い商品の並び順を考える必要があります。特に強い商品は覚えて、メインで展開する必要があります。

 

強い商品の例

  • 売れ筋商品
  • POSデータによるAランク商品
  • NB商品
  • 週間で力を入れている商品
  • チラシ広告商品

弱い商品には以下のものがあります。

  • 関連商品
  • 補完的商品
  • 購買頻度が低い
  • 認知率が低い
  • 回転率の悪い (高単価商品など)

 

強い商品と弱い商品を横並びに陳列する場合、強い商品で弱い商品を挟んだり、弱い商品で強い商品を挟んで展開します。

 

強い商品と弱い商品を挟んだほうがいい理由は、目線の動きにあります。

お客さんの目線は「強い商品→弱い商品」、「弱い商品→強い商品」と移動しやすいからです。

 

 

お客さんの目線をいかに弱い商品にも向けるかが大切です。

弱い商品を端に並べた悪い例では、目線は強い商品を行ったり来たりして弱い商品を見てもらえません。

弱い商品には、今後強い商品になる育成商品もあるので、お客さんに見せることが大切です。

 

陳列方法⑥ : ゴールデンライン

 

売り場作りで「ゴールデンライン」を活用するとお客さんの視認率を上げることができます。

ゴールデンラインとは、売り場において最も見やすく手に取りやすいスペースのことを言います。

つまり、ゴールデンラインに陳列した商品は売れやすくなります。

ゴールデンラインの活用はさまざまあります。

  • 重点商品や広告商品を売る
  • 手に取りやすい大きさの商品を陳列

下の記事で、「ゴールデンラインはどこか?」「なぜ、ゴールデンラインが必要なのか」など詳しく解説しています。

【売れる場所】ゴールデンラインとは【売上の8割ある/陳列方法も紹介】 スーパーやコンビニなど小売店で働いていると「ゴールデンライン、ゴールデンゾーン」という言葉を聞くのではないでしょうか? 私もスー...

陳列方法⑦:ウイング陳列

 

ウイング陳列とは、カットした段ボールなどをエンド・平台の横に突き出して置く陳列方法です。

ウイング陳列のメリットは視認率の向上、ついで買いを促進させることが挙げられます。

ウイング陳列のメリット!

  • 買上げ点数の増加
  • 回遊率が高まる
  • 視認率の増加
  • 関連商品を使いやすい
  • 特売の売れ残り処理ができる

 

そしてウイング陳列は、以下のようなアイテムと相性がいいです。

  • ついで買いしやすい
  • 新商品・育成商品・関連商品
  • 特売の売れ残り

例えば、スーパーマーケットではお菓子売り場に展開されていることが多く、ついで買いの効果が期待できます。

ウイング陳列にはデメリットもあります。

  • 売り場通路が狭くなる
  • お客さんにぶつかる可能性

 

陳列方法⑧:フック陳列

 

フック陳列とは、フック什器を使って吊り下げて陳列する方法です。

例えば、お菓子をエンド横に吊り下げたり、売り場の壁にスペースがある場合に使います。

フック陳列をすることで、壁スペースの活用ができ、少量多品種の商品の展開が簡単に行えます。

またフック陳列をする際には、商品のサイズ・売価によって陳列を変える必要があります。

 

フック陳列では、大きいサイズの商品は「左・下」に、売価の高いものは、「左・上」の展開を優先します。

 

売り場作りの失敗談

 

売り場作りをする上で失敗しやすいことを私の経験から紹介していきます。

 

売り場作りで失敗しやすいこと

  1. フェイス数、売り場スペースが足りない
  2. カテゴリー分けがバラバラ

 

売り場作りをする上で一番多いとも言える失敗は、フェイス数やスペースが足りないことです。1年以上売り場作りをしている方でも失敗しています。

【体験談】スペースが足りなくなる理由

  • 元在庫が思うように売れなかった
  • 上段に展開している
  • 発注が多すぎる

 

発注をする際に、売り場作りを考えた物量を取ることも重要で、発注量が多すぎたり少なすぎたりすると思うような売り場作りができなくなります。

【経験談】発注が上手くなるコツ【3つある/スーパーマーケット向け】 小売業で働く人にとって「発注」は最も重要な業務と言えます。 なぜなら、在庫量が多ければ、無駄な作業が増え、逆に少なければ、機会ロ...

また物量を把握せず、売り場の上段に展開したり、元在庫が思うように売れず売り場スペースの確保が難しかったりする時もあります。

売り場作りで失敗すると、BR在庫が増え在庫消化に時間がとられるので計画的に売り場作りをすることが大切です。

まとめ 売り場作りで数字を変える

売り場作りの目的は、一人当たりの買上げ点数を上げ売上をアップさせることです。

売上を上げるには4Pの視点で売り場作りしよう!

  • プライス…価格を変える
  • プレイス…場所を変える
  • プロモーション…販促・広告
  • プロダクト…製品を変える

 

売上アップのために、この記事で紹介した陳列方法が役に立てば幸いです。

売り場作りで使える陳列方法【まとめ】

  1. エンド展開
  2. 多数の商品の展開
  3. 関連商品
  4. ジャンブル陳列
  5. 商品の強弱を利用する
  6. ゴールデンライン
  7. ウイング陳列
  8. フック陳列
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