クロスマーチャンダイジングとはなにか?と意味や使い方がわからず悩んでいませんか?
私も売り場作りの本を読んでいた時に、クロスマーチャンダイジングという言葉が出てきて…。。「何だこれは?」と思ったことがあります。
- クロスマーチャンダイジングとは?
- クロスマーチャンダイジングのやり方を知りたい。
- 売上や利益を上げる方法ってなにがある?
この記事を読めば、クロスマーチャンダイジングとはなにかがわかり、売り場作りで商品の販売数を増やす方法がわかりますよ!
なぜなら、私も実際に実践して、商品の販売数を5倍以上に増やすことができたからです。
この記事では、クロスマーチャンダイジングとはなにか、意味やメリットを紹介して、実際の手順を3つに分けて紹介します。
記事を読み終えると、クロスマーチャンダイジングを使って、売り場作りができるようになりますよ!
クロスマーチャンダイジングとは(クロスMD)
クロスマーチャンダイジングとは、種類やカテゴリーの異なる商品を関連販売として陳列し、顧客のついで買いを促す販売方法です。クロスMDや単に関連販売と言われることもあります。
クロスマーチャンダイジングは、共働きなどで買い物時間の短縮の影響や店舗での買い物における非計画購買が8割であることから重要視されている販売方法です。
実際に私が働いているスーパーマーケットでも、売り場のいたるところでクロスMDを使った陳列がされています。
クロスマーチャンダイジングの5つのメリット
クロスマーチャンダイジングのメリットを5つ紹介します。まずお店側のメリットには、客単価と利益率のアップが見込ることがあります。
また、消費者側のメリットとしては、買い物時間の短縮、使用シーンを想像しやすい、新しい使用方法を発見できるなどがあります。
- 客単価のアップ
- 利益率のアップ
- 買い物時間の短縮
- 使用シーンを思い浮かべやすい
- 新しい使用方法を発見できる
それぞれ詳しく説明します。
メリット①客単価アップ
クロスMDのメリット1つ目は、客単価を上げることができることです。なぜなら、クロスMDには、ついで買いを促す効果があり、お客一人当たりの買上げ点数が上がるからです。
客単価=平均単価×一人当たりの買上げ点数
例えば、そばやつゆの棚にワサビを入れることで、ワサビも同時に買ってもらうことができます。
このように、クロスMDではついで買いによる客単価アップのメリットがあります。
メリット②利益率アップ
クロスMDのメリット2つ目は、利益率を上げることができることです。
なぜなら、クロスMDでは、「必要になるもの」を関連で訴求するので、価格訴求をしなくても購入してもらいやすいからです。
このように、適切な商品を選んで関連販売することで利益率を上げることができます。
またクロスMDで利益率の高い商品を選ぶことで利益率を上げることも可能です。例えば、利益率の高いPBをクロスMDに使うことが挙げられます。
PBとは、プライベートブランドの略で、自社製造の商品を指します。比較的安価で利益率が高い商品です。
このように、クロスMDでは、価格訴求なしでも販売できる点や利益率の高い商品を関連販売することで利益率アップを狙えます。
また売上を上げたいときには、価格の安い商品を選ぶことで買上げ点数も上がりやすくなりますよ。
メリット③買い物時間の短縮
クロスMDのメリット3つ目は、買い物時間の短縮につながることです。
なぜなら、クロスMDを実施すると、売り場1か所で必要なものが買えるので、お客さんがいちいち商品を探す手間が省けるからです。
共働きなどで忙しい人は増加傾向にあります。買い物時間は短縮傾向にあるので、クロスMDを実施することで買い回りやすい売り場を作ることができます。
メリット④使用シーンを想像しやすい
クロスMDのメリット4つ目は、買い物時に使用シーンを想像しやすいことです。
例えば、お客さんが「今日の晩御飯はこれにしよう!」「この家具を部屋に置いたら、部屋がよくなりそう!」「この服を着たら、似合いそうだな…」など商品の用途がはっきりします。
使用シーンがはっきりすれば、安心して購入できますし、顧客満足度の向上にもなります。
メリット⑤新しい使用方法を発見できる
クロスMDのメリット5つ目は、新しい使用方法を発見できることです。
「○○と△△って一緒に陳列されているけど、組み合わせるといいのかな?」という経験はありませんか?
私も豆腐の売り場に生姜が陳列されていて、不思議に思っていましたが、冷ややっこに付けて食べることを知って驚きました。
このように、売り場で意外な組み合わせを提案することで、点数アップを狙いやすくなります。
クロスマーチャンダイジングのやり方•手順
クロスマーチャンダイジングのやり方を実際の手順に沿って説明します。クロスMDをするときには、4つの手順で売り場に陳列できます。
- 主役の商品を決める
- 主役商品の使用シーンを考える
- 関連で使えそうな商品を選定
- 同じ売り場に陳列する
やり方①主役の商品を決める
まずは主役の商品を決めましょう。また関連販売を行いたい売り場を決めます。
主役の商品や売り場を決める際には、以下のコツがあります。
- 主役の商品自体に動きがあること
- 目立つ売場で実施すること
- 売場のSKUが増えても問題ないこと
主役の商品が売れていないのに、関連商品だけ売れることは少ないです。主役商品の販売数は確認しましょう。
また関連販売をする売り場も目立つ場所で、追加で商品を展開しても問題がないことが大切です。
スーパーであれば、エンドや島と呼ばれる売り場が目立つ場所です。
もし「関連販売したけど、それほど売れていない…。」と悩んでいる方は、上記3点のコツを見直してみてください。関連販売の数量も上がっていきますよ!
やり方②主役商品の使用シーンを考える
クロスMDのやり方2つ目は、使用シーンを考えることです。その主役商品は、いつ、どこで、誰が、どのように使うかを考えましょう。
関連販売では「一緒に使う商品」であることが重要で、一緒に使うから同時に買ってもらうことができます。
- いつ(朝、昼、夜)
- どこで(家、外出先、仕事場)
- 誰が(子供、大人、会社員、主婦)
- どのように(ご飯を食べるため、家でくつろぐため)
やり方③関連で使う商品を選ぶ
使用シーンが決まれば、関連で使う商品を選びましょう。
関連で使う商品には、価格が2桁の商品や少量タイプの商品を選びましょう。というのも関連品はお試しで使う方も多いので、「試してみようかな」と思ってもらう工夫が必要です。
やり方④同じ売り場に陳列する
商品が決まったら、一緒に陳列しましょう。関連品は陳列量も多くはないので、棚の上段や吊り下げを使ったり、ウイング陳列したりしましょう。
関連販売に役立つ陳列方法は以下の記事で紹介しています。
クロスマーチャンダイジングの例
クロスマーチャンダイジングの具体例を4つ紹介していきます。スーパーやホームセンターの例です。
- 鍋つゆ×はるさめ
- お餅×きなこ
- 寿司×わさび
- 食器×ランチマット
例①鍋つゆ×はるさめ
鍋つゆの売り場にはるさめ、ラーメン、麩などの鍋の〆で使える商品を同時に展開します。コロナによる節約志向もあり、スーパーではよく見かける関連販売です。
例②お餅×きなこ
お餅の売り場にきなこも展開することで同時に買ってもらえます。きなこはお餅を食べるときに多くの方が使いますので点数アップに有効です。
例③寿司×わさび
総菜売り場の寿司コーナーにチューブのワサビを関連販売します。
例④食器×ランチョンマット
食器売場にランチョンマットを展開することで、食卓シーンを訴求します。おしゃれな食器を探している方に、「ランチョンマットを使ってテーブルを彩り豊かにできますよ。」と訴求できます。
クロスマーチャンダイジング(まとめ)
この記事では、クロスマーチャンダイジングとはなにか、メリットや手順を紹介しました。販売店数や利益率を上げるため売り場でやってみてください!
クロスMDについてこの記事で紹介したことをまとめると以下の通りです。
- クロスマーチャンダイジングとは、関連販売でついで買いを促すこと。
- メリットは、利益率、販売店数のアップ。
- 共働きなどで買い物時間の短縮の傾向があり、クロスマーチャンダイジングの重要性は増している。
- やり方では、使用シーンを考えて商品を選ぶことが大切。
この記事で書ききれなかった、売り場作りで使える陳列については、以下の記事で紹介しています。合わせて読んでみてください。小売店で行う陳列方法について詳しくわかりますよ!