故事成語の1つに「木に縁りて魚を求む(きによりてうおをもとむ)」があります。
この記事では、「木に縁りて魚を求む」を知り、使えるように
- 意味・英語訳
- 由来
- 類語
- 使い方
- どんな教訓なのか?
以上5点について紹介していきます。
「木に縁りて魚を求む」を知る
「木に縁りて魚を求む」について、基本的な知識を紹介します。
意味
- 手段を間違えれば、目的は達成できないこと。
- 物事の細部にこだわりすぎて、全体を見失うこと。
英語訳は?
英語訳としては、
- to look for fish by climbing a tree
「木に登って魚を探す」と訳せます。
- to ask for the impossible
- Look not for musk in a dog’s kennel
由来
「木に縁りて魚を求む」は、
孟子(もうし)が斉(さい)の宣王(せんおう)にあるアドバイスをした故事からできた故事成語です。出展 『孟子』
春秋戦国時代の話です。
宣王が「武力による天下統一」をしようとしました。
これに対し、孟子が「武力による天下統一は魚を探しに木に登るように、できるはずがない」「仁政をすべきだ。」と主張しました。
このように「手段を間違えれば、目的を達成することはできない」という例えで使われたことが由来となっています。
類語
「木に縁りて魚を求む」の類語として、
- 水を煎りて氷を作る
- 水中に火を求む
などが挙げられます。どちらも的外れなことをしている意味ですね。
「木に縁りて魚を求む」の使い方
「木に縁りて魚を求む」の使い方を見ていきます。
具体例
例文を紹介します。
- 彼の練習方法は、木に縁りて魚を求むだ。
- 私を犯人にするなんて、木に縁りて魚を求むではないか?
「見当違いだ」と批判するように使います。実際に使われる機会は少ないです。
「木に縁りて魚を求む」はどんな教訓か?
「木に縁りて魚を求む」から学べる教訓を紹介します。新社会人や若い世代の方へ、働き方の教訓です。
正しい方法で取り組む
仕事でわからないことがあるときには、「わかる人に聞く」ことが重要です。
「木に縁りて魚を求む」ように、わからない人に聞いても解決しないからです。
「こうだと、思うなぁ…。」
「こうかもしれないよね!」
こんな風にはぐらかされ、解決した試しはありません。
正しい手段で解決するためにも、わかる人に聞くことは仕事をする上での基本です。
マネジメント力が出世には必要
一般に出世をすると幅広い仕事を管理することになります。
例えば、スーパーであれば
- 担当は、部門1〜2個
- 主任は、全部門
- 課長は、全ディビジョン
- 店長は、店全体
このように、出世すればするほど管理するものが増えていきます。
この管理能力を「マネジメント力」と言います。
人時、タスク、物品、商品…
管理するものは沢山あります。マネジメントする上で大事にするべきことが、この記事で紹介した「木に縁りて魚を求む」です。
管理職は、細部を気にしすぎて、全体が見えなくなってはいけません。
管理職になりたい!
と思っているのなら「木に縁りて魚を求む」を座右の銘にするのもアリですね。